
産業廃棄物収集運搬業許可
産業廃棄物収集運搬業を事業として行う場合、廃棄物処理法に従い、事業を行う区域を管轄する市区町村長または都道府県知事の許可を得る必要があります。事業者様が運搬用の車両や保管容器を持っていること、欠格要件に該当しないこと等を許可の条件としています。
産業廃棄物収集運搬業は、取り扱う産業廃棄物の種類ごとに許可が必要となります。
主な産業廃棄物の種類(特別管理産業廃棄物を除く。)
種 類 | 排出限定業種 | 内容(事業活動によって発生するものに限る) |
---|---|---|
燃え殻 | 石炭がら、焼却残さ、炉清掃廃棄物等。 | |
汚泥 | 泥状のもので、有機性及び無機性のすべてのもの。 | |
廃油 | 揮発油類、灯油類及び軽油類を除く、すべての廃油。 | |
廃酸 | 酸性廃液のうち、pH2.0以下でないもの。 | |
廃アルカリ | アルカリ性廃液のうち、pH12.5以上でないもの。 | |
廃プラスチック類 | 固形状の廃プラスチック類。 | |
紙くず | 建設業、パルプ・紙・紙加工品製造業、新聞業、出版業、製本業及び印刷物加工業 | 左記の業種から発生する紙くず。 (工作物の新築、改築又は除去に伴って生じた紙くずを含む。) ※ 合成紙は廃プラスチック類です。 |
木くず | 建設業、木材・木製品・パルプ製造業、輸入木材卸売業、物品賃貸業 | 左記の業種から発生する木くず。 (工作物の新築、改築又は除去に伴って生じた木くずを含む。) |
繊維くず | 建設業、繊維工業(衣服その他の繊維製品製造業を除く) | 左記の業種から発生する天然繊維くず、糸くず。 (工作物の新築、改築又は除去に伴って生じた不要物を含む。) ※ 合成繊維くずは、廃プラスチック類です。 |
動植物性残さ | 食料品製造業、飲料・飼料製造業(たばこ製造業を除く。)、医薬品製造業、香料製造業 | 左記の業種において原料として使用した動物又は植物に係る固形状の不要物。 ※ 飲食店等から排出される動植物性残さは一般廃棄物です |
動物系固形不要物 | と畜場 食鳥処理場 | とさつ又は解体した獣畜及び食鳥処理した食鳥に係る固形状の不要物。 |
ゴムくず | 天然ゴムくず。 ※ 合成ゴムは、廃プラスチック類です。 | |
金属くず | 鉄くず、空き缶、スクラップ、溶接かす等。 | |
ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず | 1 ガラスくず:廃空き瓶類、板ガラスくず等 2 コンクリートくず:製品の製造過程で生じるコンクリートブロック及びアスファルト・コンクリートくず等 3 陶磁器くず:土器くず、陶器くず等 | |
鉱さい | 高炉・平炉・転炉・電気炉からの残さい、鋳物廃砂、 サンドブラスト廃砂(塗料かす等を含むものを除く。)等 | |
がれき類 | 工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたコンクリート破片、その他これに類する不要物。 | |
動物のふん尿 | 畜産農業 | 畜産農業から発生する家畜のふん尿。 |
動物の死体 | 畜産農業 | 畜産農業から発生する家畜の死体。 |
ばいじん | ばい煙発生施設や焼却施設等において、集じん施設によって集められたもの等。 | |
処分するために処理したもの | 産業廃棄物を処分するために処理したもの。 |

産業廃棄物処分業許可
産業廃棄物処理業は、「産業廃棄物収集運搬業」と「産業廃棄物処分業」との2つに分かれます。
産業廃棄物の処分とは、廃棄物を破砕や焼却、中和等の方法により、形態や外観を変化させることを意味します。
産業廃棄物の処分は「中間処理」と「最終処分」とに分けることができます。

特定再生資源屋外保管業許可
(金属スクラップヤード)
金属・プラスチックなどを買い取り、屋外で保管している事業について、積み上げ高さや保管方法の制限を設け、許可制としている自治体が増えています。
例えば、千葉県、山梨県、茨城県、埼玉県、福島県では、県独自のスクラップヤード条例を制定し、条例違反の業者には罰則を科しています。
また、千葉市、袖ヶ浦市、さいたま市、越谷市では、市独自の条例を制定し、規制しています。
スクラップヤード条例として、令和7年4月1日時点で、以下の条例が確認できます。(出典:一般財団法人 地方自治研究機構)
兵庫県 | 産業廃棄物等の不適正な処理の防止に関する条例 | 平成15年3月17日公布 | 平成15年12月15日施行 |
長野県飯田市 | 飯田市環境保全条例 | 平成24年1月1日改正施行 | |
鳥取県 | 鳥取県使用済物品等の放置防止に関する条例 | 平成27年12月24日公布 | 平成28年4月1日施行 |
静岡県袋井市 | 袋井市使用済物品等の放置防止に関する条例 | 平成29年3月31日公布 | 平成29年4月1日施行 |
神奈川県綾瀬市 | 綾瀬市再生資源物の屋外保管に関する条例 | 平成31年3月28日公布 | 平成31年7月1日施行 |
千葉市 | 千葉市再生資源物の屋外保管に関する条例 | 令和3年10月5日公布 | 令和3年11月1日施行 |
茨城県境町 | 境町再生資源物の屋外保管に関する条例(廃止) | 令和3年12月8日公布 | 令和3年12月8日施行 令和6年4月1日廃止 |
千葉県袖ケ浦市 | 袖ケ浦市再生資源物の屋外保管に関する条例 | 令和4年12月19日公布 | 令和5年4月1日施行 |
千葉県 | 千葉県特定再生資源屋外保管業の規制に関する条例 | 令和5年10月17日公布 | 令和6年4月1日施行 |
茨城県常陸大宮市 | 常陸大宮市再生資源物の屋外保管に関する条例 | 令和5年12月26日公布 | 令和6年4月1日施行 |
山梨県 | 山梨県再生資源物の不適正保管等の防止及び産業廃棄物の適正管理の促進に関する条例 | 令和5年12月26日公布 | 令和6年7月1日施行 |
茨城県 | 茨城県再生資源物の屋外保管の適正化に関する条例 | 令和5年12月27日公布 | 令和6年4月1日施行 |
さいたま市 | さいたま市再生資源物の屋外保管に関する条例 | 令和5年12月28日公布 | 令和6年2月1日施行 |
埼玉県越谷市 | 越谷市再生資源物の屋外保管に関する条例 | 令和6年3月21日公布 | 令和6年7月1日施行 |
埼玉県 | 埼玉県特定再生資源屋外保管業の規制に関する条例 | 令和6年7月9日公布 | 令和7年1月1日施行 |
福島県 | 福島県特定再生資源物の屋外保管の適正化に関する条例 | 令和6年10月8日公布 | 令和7年1月1日施行 |
※千葉市では、令和7年4月1日に「千葉市再生資源物の屋外保管に関する条例施行規則」に一部改正がありました。
出典:「千葉市再生資源物の屋外保管に関する条例施行規則」改正について(案内文)
引き続き、各自治体の今後の動向に注意が必要です。
建設業許可
建設業許可は、建設業法に基づいて、建設工事を適正に実施するために必要な許可です。具体的には、以下のような工事を請け負う場合に必要となります。
・500万円以上の建設工事(消費税を含む)
・建築一式工事で1,500万円以上の工事、または延べ面積150㎡以上の木造住宅工事
※一つの工事を2以上の契約に分割して請け負うときは、各契約の請負代金の額の合計額となります(工事現場や工期が明らかに別である等、正当な理由に基づく場合を除く。)。
※ 注文者が材料を提供する場合は、市場価格又は市場価格及び運送費を当該請負契約の請負代金の額に加えたものが上記の請負代金の額となります。
※ 建設業法の適用は日本国内であるため、外国での工事等には適用されません。
建設業許可は、下請契約の規模等により「一般建設業」と「特定建設業」とに分かれます
【特定建設業の許可】
発注者から直接請け負った1件の建設工事につき、下請代金の合計額が5,000万円(税込)以上(建築一式工事は8,000万円(税込)以上)となる下請契約を締結して施工する場合は、特定建設業の許可が必要です。
なお、元請負人が5,000万円(建築一式工事は8,000万円)以上の工事を下請施工させようとする時の5,000万円(建築一式工事は8,000万円)には、元請負人が提供する資材の価格は含みません。
【一般建設業の許可】
特定建設業の許可を要しない工事のみを施工する場合は、一般建設業の許可が必要です。
工事種別 (税込み) | 建設業 許可なし | 一般建設業 | 特定建設業 |
---|---|---|---|
下請契約500万円未満 (建築一式工事の場合は1,500万円未満) | 〇 | 〇 | 〇 |
下請契約5,000万円未満 (建築一式工事の場合は8,000万円未満) | × | 〇 | 〇 |
下請契約5,000万円以上 (建築一式工事の場合は8,000万円以上) | × | × | 〇 |
一般建設業と特定建設業では要件が異なります。
一般建設業と特定建設業の財産的基礎要件は、次のとおりです。
《一般建設業》
次のいずれかに該当すること。
・自己資本が500万円以上であること
・500万円以上の資金調達能力を有すること
・許可申請直前の過去5年間許可を受けて継続して営業した実績を有すること
《特定建設業》
次のすべてに該当すること。
・欠損の額が資本金の20%を超えていないこと
・流動比率が75%以上であること
・資本金の額が2,000万円以上であり、かつ、自己資本の額が4,000万円以上であること
建設業許可の業種区分(全29業種)
建設業許可には、工事ごとに29種類の業種区分があります。
許可の申請をするにあたって、何の業種許可が必要か見極めることが重要です。
建設工事の種類 | 建設工事の例示(建設業許可事務ガイドライン) |
---|---|
土木一式工事 | 総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物を建設する工事(補修、改造又は解体する工事を含む。以下同じ。) |
建築一式工事 | 総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建設する工事 |
大工工事 | 大工工事、型枠工事、造作工事 |
左官工事 | 左官工事、モルタル工事、モルタル防水工事、吹付け工事、とぎ出し工事、洗い出し工事 |
とび・土工・コンクリート工事 | イ とび工事、ひき工事、足場等仮設工事、重量物の楊重運搬配置工事、鉄骨組立て工事、コンクリートブロック据付け工事、工作物解体工事 ロ くい工事、くい打ち工事、くい抜き工事、場所打ぐい工事 ハ 土工事、掘削工事、根切り工事、発破工事、盛土工事 ニ コンクリート工事、コンクリート打設工事、コンクリート圧送工事、プレストレスコンクリート工事 ホ 地すべり防止工事、地盤改良工事、ボーリンググラウト工事、土留め工事、仮締切り工事、吹付け工事、道路付属設置工事、捨石工事、外構工事、はつり工事 |
石工事 | 石積み(張り)工事、コンクリートブロック積み(張り)工事 |
屋根工事 | 屋根ふき工事 |
電気工事 | 発電設備工事、送配電線工事、引込線工事、変電設備工事、構内電気設備(非常用電気設備を含む。)工事、照明設備工事、電車線工事、信号設備工事、ネオン装置工事 |
管工事 | 冷暖房設備工事、冷凍冷蔵設備工事、空気調和設備工事、給排水・給湯設備工事、厨房設備工事、衛生設備工事、浄化槽設備工事、推薦便所設備工事、ガス管配管工事、ダクト工事、管内更生工事 |
タイル・れんが・ブロック工事 | コンクリートブロック積み(張り)工事、レンガ積み(張り)工事、タイル張り工事、築炉工事、スレート張り工事 |
鋼構造物工事 | 鉄骨工事、橋梁工事、鉄塔工事、石油・ガス等の貯蔵用タンク設置工事、屋外広告工事、閘門・水門等の門扉設置工事 |
鉄筋工事 | 鉄筋加工組立て工事、ガス圧接工事 |
舗装工事 | アスファルト舗装工事、コンクリート舗装工事、ブロック舗装工事、路盤築造工事 |
しゅんせつ工事 | しゅんせつ工事 |
板金工事 | 板金加工取付け工事、建築板金工事 |
ガラス工事 | ガラス加工取付け工事 |
塗装工事 | 塗装工事、溶射工事、ライニング工事、布張り仕上工事、鋼構造物塗装工事、路面標示工事 |
防水工事 | アスファルト防水工事、モルタル防水工事、シーリング工事、塗膜防水工事、シート防水工事、注入防水工事 |
内装仕上工事 | インテリア工事、天井仕上工事、壁張り工事、内装間仕切り工事、床仕上工事、たたみ工事、ふすま工事、家具工事、防音工事 |
機械器具設置工事 | プラント設備工事、運搬機器設置工事、内燃力発電設備工事、集塵機器設置工事、給排気機器設置工事、揚排水機器設置工事、ダム用仮設備工事、遊技施設設置工事、舞台装置設置工事、サイロ設置工事、立体駐車設備工事 |
熱絶縁工事 | 冷暖房設備、冷凍冷蔵設備、動力設備又は燃料工業、化学工業等の設備の熱絶縁工事 |
電気通信工事 | 電気通信線路設備工事、電気通信機械設置工事、放送機械設置工事、空中線設備工事、データ通信設備工事、情報制御設備工事、TV電波障害防御設備工事 |
造園工事 | 植栽工事、地被工事、景石工事、地ごしらい工事、公園設備工事、広場工事、園路工事、水景工事、屋上等緑化工事 |
さく井工事 | さく井工事、観測井工事、還元井工事、温泉掘削工事、井戸築造工事、さく孔工事、石油掘削工事、天然ガス掘削工事、揚水設備工事 |
建具工事 | 金属製建具取付け工事、サッシ取付け工事、金属製カーテンウォール取付け工事、シャッター取付け工事、自動ドアー取付け工事、木製建具取付け工事、ふすま工事 |
水道施設工事 | 取水施設工事、浄水施設工事、配水施設工事、下水処理設備工事 |
消防施設工事 | 屋内消火栓設置工事、スプリンクラー設置工事、水噴霧、泡、不燃性ガス、蒸発性液体又は粉末による消火設備工事、屋外消火栓設置工事、動力消防ポンプ設置工事、火災報知設備工事、漏電火災警報器設置工事、非常警報設備工事、金属製避難はしご、救助袋、緩降機、避難橋又は排煙設備の設置工事 |
清掃施設工事 | ごみ処理施設工事、し尿処理施設工事 |
解体工事 | 工作物解体工事 |
出典:国土交通省HP 業種区分、建設工事の内容、例示、区分の考え方(H29.11.10改正)
